Julie Wolfe(ジュリー・ウルフ)
画家とジュエリーデザイナーという二つの顔を持つマルチメディア・アーティスト、ジュリー・ウルフ。1986年にテキサス州で絵画と美術史のBFAを取得し、現在はワシントンDCを拠点に活動している。2017年にDCのAmerican University Museum at the Katzen Arts Centerで開催された大規模な回顧展をはじめ、数多くの展覧会に参加することでキャリアを開花し続け、この地域で最も影響力のあるアーティストの一人となっている。
これまでキト、アンドラ、ベルリン、アムステルダム、パリ、そしてアメリカなどでのプロジェクトに携わってきた彼女の作品は、Wall Street Journal、The New York Times、T Magazine、BBC Americaなど名だたるメディアで紹介されている。
数年前にGIGINAで開催した"Julie Wolfe展"では作品のテーマに合わせたジュエリーも製作され話題となりました。
そして本題に入ります。
この度Julieが、新たなアートブックを出版するということで出来たてほやほやの作品が先日到着しました。
表紙のデザインから余白の使い方、また作品の描写とともに美しく配列された文字。1ページ、1ページめくるごとに驚きと共に彼女特有の色遊びが紙の上を踊っているように描写されています。また表紙は3種類のデザインになっていて大切な方へのギフトとしてもおすすめです。
心に残るアートブックにふさわしい限定200冊のこの作品を是非皆様にご紹介したいと思います。
「APOPHENIA」
本書は、光学的な無意識に触れることで、知覚に関する本質的な何かを明らかにするものです。ページ全体に画像を並べることで、自由な連想からパターンが浮かび上がり、人間が偶然の画像から意味を見出すプロセスであるアポフェニアが解き放たれます。
ジュリー・ウルフは長年にわたり、独自のイメージのアーカイブを構築し、それらを新たな構成に流用、再利用することで、不思議なインスピレーションを与え、緊急の質問を投げかけています。
不協和音のオブジェクトやイメージは、互いにどのように関係しているのでしょうか?
私たちはどのようにそれらと関わっているのだろうか?
私たちは、不審に思い、未知のものに疑問を投げかけ、無意識の中に身を置くことによって、何を学ぶことができるのでしょうか?
この形の考古学を通して、鑑賞者は隠された視覚システム、その深い歴史、そしてその余韻について考えるよう求められるのです。
*アポフェニア・・・無作為あるいは無意味な情報の中から、規則性や関連性を見出す知覚作用のこと